現地法人設立スケジュール(一般例)

現地法人設立の流れ

  • 全体的に余裕をもったスケジュールにしています。
  • No.1~No.3の行政機関との手続きは、一般的に1~2回の修正や説明補充などの「やり直し」が発生しますので、その部分を凡そ見通しています。
現地法人(直接外国投資)についての基本事項
  • 日本企業がベトナム国で事業活動を行う場合には、銀行や法律事務所などの一定の業種を除いて、「外国法人の支店」ではなく「現地法人」を設立しなければなりません。「駐在員事務所」は「現地法人」ではなく売上を立てること(事業活動)ができません。現地法人に変えることもできません。したがって、駐在員事務所が不要になった場合は閉鎖を行います。また、ベトナム国で売上を立てられるのは「現地法人」だけではなく、「PPP(Public Private Partnership)」形式や「BCC(Business Cooperate Contract)」形式でも可能です(投資法67/2014/QH13の第27条及び28条)。これらの事業投資と株式取得を通じた経営参加などを総称して直接外国投資(FDI)と言います。
  • 現地法人における事業活動は、ベトナム国の内国法である「企業法」と「投資法」が関連します。且つ、ベトナム国の「WTO(World Trade Organization)コミットメント」に準じます。具体的には、外国資本の現地法人設立は「業種」ごとの投資ライセンス(投資登録証明書)を取得することになります(IRC=Investment Registration Certificate)。その後、企業登録証明書(ERC=Enterprise Registration Certificate)を得ます。ベトナム資本による内資法人は後者のERCのみとなります(業種などによってはIRCが必要なケースもあります)。
  • 「業種」は、日本の法人登記簿に記載される業務目的のように自由にその表現を決められるわけではなく、「投資法」及び「WTOコミットメント」に定められた業種の分類方法に従います。外国資本の視点から大別すると4種類となり、(1)条件なし投資分野、(2)条件付き投資分野、(3)投資禁止分野、(4)申請ごとに検討する分野(政府裁量分野)、となります。(2)の「条件付き投資分野」だけでも243分野に分かれています。(4)の「政府裁量分野」とは、投資法では禁止していないがWTOコミットメントで規制のある分野を意味します。一般的に、これら業種の選定は、ベトナム国弁護士であっても、その都度、詳細な検討を要します。手続きを司る行政側(又は中央政府側)は、手続きに前もって責任は負いません。すなわち、業種選定(の段階)については関与しません。当該検討にて、目的とする事業活動が100%独資で可能か合弁会社とする必要があるか、その際の比率はどうであるか、などが判明します(株式取得などM&Aでは異なります)。
  • 会社形態は「株式会社」「2名以上有限責任会社」「1名有限責任会社」が主な形態となり、「株式会社」は出資者3者以上、残りの有限責任会社はそれぞれ2者以上・1者となります。独資である場合、通常は「1名有限責任会社」の形を取り、合弁である場合は「2名以上有限責任会社」又は「株式会社」となります。これら会社形態は、後に変更することが可能です。
  • 現地法人の法定代表者(会長や社長など)は、1人または複数を任命することが可能です。最低1人の法定代表者はベトナム居住である必要がありますが、「居住又は常駐の定義」については「企業法」と「個人所得税法」より2種類の定義があります。一般的な解釈として、30日以上ベトナムを不在にする場合は、その権利及び義務を他者に委任します。 1年間に183日以上居住しなければならないということではありません。
  • 現地法人の法定代表者と駐在員事務所の代表(所長)は兼任できません。したがって、駐在員事務所から現地法人設立を検討する場合、駐在員事務所の代表とは別の人を現地法人の法定代表者にするか、現地法人を設立してから駐在員事務所を閉鎖するという順序を取ることが一般的です。
  • 現地法人の管理機構(機関設計)や決議要件は「会社形態」によって異なるため、事業の規模や推進状況に適した会社形態を選びます。
現地法人の形態別比較
1名有限責任会社 2名以上有限責任会社 株式会社
出資者数 1者 2者~50者 3者以上
上場

不可

機関設計 ①会長・社長・監査役

②社員総会・社長・監査役

社員総会、会長、社長

(出資者が11者以上の場合は監査委員会も必要)

①株主総会、取締役会、監査委員会、社長

②株主総会、取締役会(20%が独立取締役)、取締役会に直属する内部会計監査委員会、社長

普通決議要件 社員総会が設置される場合、過半数 65%以上 51%以上
特別決議要件 社員総会が設置される場合、75%以上 75%以上 65%以上
取締役会

なし

管理機構として設置
出資持分・株式の譲渡制限 制限なし 他の出資者が先買権を有するが詳細は定款にて規定可能 様々なケースがあり定款で規定する
会長 会社所有者または社員総会が選任 社員総会が選任 取締役会が選任
社長 社員総会または会長が選任 社員総会が選任 取締役会が選任
監査委員会の構成員 会社所有者が選任 社員総会が選任 株主総会が選任
法定代表者(右記のほか定款で定めることが可能。複数可能) 社員総会の会長または社長 社員総会の会長または社長 取締役会の会長または社長
  • 1名有限責任会社の場合、出資者より「委任代表者」を1名もしくは複数名指名することが可能です。任期は5年。
  • 社員総会とは「委任代表者」により構成される総会であり、1名有限責任会社の場合は3名~7名とされているため、委任代表者の数が3名未満の場合は社員総会を設置することはできません。
  • 1名有限責任会社が個人の所有である場合、機関設計は問われません。
  • 有限責任会社の監査役は、会計士等の有資格者である必要はありません。
  • 「会長」とは日本で理解されるオーナー的意味ではなく「議長」に近い意味です。
  • 「会長」と「社長」の兼務は可能です。
現地法人設立に必要な日本側本社準備書類(一般例)
  • 直近の監査済み決算書2期分(監査会社による監査ということに限りません。)
  • 定款
  • 登記簿謄本(現在事項全部証明書)
  • 残高証明書(予定資本金以上の残高のある口座1つについて。厳密には、現地法人設立のために必要ではなく、設立後すぐの手続きに必要となります。)
  • 日本側代表者及びベトナム側代表者のパスポート全ページコピー(表紙を含みます)

以上について、合法化(アポスティーユ、領事認証、公証認証などとも呼びます)が必要となります。
公文書と私文書によって異なりますが、私文書は、公証役場、法務局、外務省、在日ベトナム大使館又は領事館の印鑑を取得する作業となり、公文書は私文書より簡易になります。以下の外務省ホームページを参照ください。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000607.html