株式会社の基礎事項

株式会社の定款資本は、発行した各種株式の額面額の総額であり、企業設立登記時には購入登録済み株式、企業設立登記後には発行済み株式を指します。

株式会社の引受募集対象株式とは、株主総会が資本を呼び込むために発行を決定した各種株式の総数であり、企業設立登記時には購入登録済み株式と購入未登録株式からなり、企業設立登記後には発行済み株式(払い込み済み株式)及び未発行株式となります。未発行株式の発行権は取締役会に属します。

発起株主は、通常3名以上で構成されますが、国営企業や有限責任会社からの変更や、吸収分割、新設分割、新設合併、吸収合併のスキームに拠る場合には、発起株主は必要とされません。発起株主は、企業設立登記時において、引受募集対象株式の少なくとも20%を購入登録しなければならないとされています。

種類株式と社債の整理
種類株式
普通株式 普通株式は優先株式に変更することはできないが、優先株式は株主総会の決議によって、普通株式に変更することができる。
優先株式 ①議決権優先株式
  • 政府の委任を受けた組織及び発起株主のみが所有できる。
  • 議決権優先株式における議決票数は会社の定款の定めるところによる。
  • 議決権優先株式を保有する株主は、当該株式を他人に譲渡できない。
②配当優先株式
  • 毎年支払われる配当より高額の配当が支払われる株式。毎年支払われる配当には、固定配当と特別配当があり、固定配当は会社の経営結果に左右されない。具体的な固定配当額及び特別配当の算定については、株券(紙である必要はない)に記載される。
  • 配当優先株主は、議決権及び株主総会への出席権を有さず、取締役会及び監査役会への人事推薦はできない。
③償還優先株式
  • 取得請求権付株式又は取得条項付株式に該当するもので、保有者の請求又は株券に記載された条件に従って償還を受けられる株式となる。
  • 償還優先株主は、議決権及び株主総会への出席権を有さず、取締役会及び監査役会への人事推薦はできない。
④会社の定款に定めるその他の優先株式
  • 例)従業員優先株式など

ベトナム国の株式会社における社債には、その性質による分類では、普通社債、転換社債、ワラント債(新株予約権付社債)があり、その中でも担保付社債と無担保社債があり、ワラント債においては、分離型と非分離型があります。

(ベトナム国では、Convertible Bondという言葉が頻繁に使われますが、これは一般的な転換社債を指すものであり、転換社債型新株予約権付社債を指しているものではなく、転換社債型新株予約権付社債が有効であるか否かは定かではありません)

募集の方法には公募と私募があります。社債は、発行企業からは負債となりますが、転換社債の場合には、株式に転換されると負債から資本に組み入れられ増資になるため、昨今の(ベトナム企業)セルサイド案件では私募案件として多く見られます。

しかし、私募案件は一般的に、発行会社の財務内容・発行目的とも様々な事情があるため、且つ詳細な法令施行後に数年しか経っていないために(外国投資家の参加した)事例が少なく、詳細な調査が必要となります。