証券市場の整理

ベトナム国の証券取引所には、ハノイ証券取引所(HNX: 2009年にHaSTCより改称)、ホーチミン証券取引所(HOSE)、UPCOM(未上場公開企業市場:ハノイ証券取引所内)の3種類があります。

ハノイ証券取引所、ホーチミン証券取引所、共に約350社の銘柄を有しています(2018年末)。

UPCOM(Unlisted Public Company Market: 取引システムの名称)とは、上場していない公開企業の株式や公開証券の売り出し形態を指し、同時に、国営企業の民営化における株式を取引する場所としても機能しています。約750社の銘柄があります(2018年末)。

証券取引所(HNX, HOSE) UPCOM(HNX内) OTC(Over The Counter)
コモディティ
  • 上場株式
  • 転換社債
  • 上場投信(ETF)
  • カバードワラント(CW)
  • 国債、政府保証付き債券、地方債、等
  • 非上場公開株式
  • 非公開株式又は持分、等(弊社解釈)
発行元
  • 上場企業
  • 証券会社
  • ファンド
  • 政府、等
  • 非上場公開企業
  • IPO(初回公開売り出し)後の非上場国営企業
  • 非公開企業
  • 有限責任会社、等

ベトナム国のOTC市場は、2009年にUPCOM市場が設置されたことにより、且つ未上場公開企業のUPCOMへの登録義務により、実質的に上表のように位置づけられると解釈されます(弊社解釈)。

公開企業とは、①株式の公募を行った企業、②証券取引所又は証券取引センターに登録した企業、③100名以上の株主(プロの証券投資家を除く)を有し、定款資本(発行済み株式)が100億 VND(約43万ドル)以上である企業と定義されています。

ベトナム国におけるIPO(Initial Public Offering)は、上記①に該当する株式の公募を指し、証券取引所における金融商品になることと同義ではなく、UPCOM市場の金融商品となることを指します。

国営企業の民営化案件など、公開後の上場を義務づけられているケースにおいて「IPO」という言葉が使われるケースがありますが、これは「IPO(公開)から上場へのフェーズを経るスキーム」となり、IPOと上場の間の期間が年レベルで開くケースもあります。

HNX及びHOSEへの上場条件
ハノイ証券取引所(HNX) ホーチミン証券取引所(HOSE)
定款資本(発行済み株式) 50 billion VND以上(約210万ドル) 120 billion VND以上(約520万ドル)
株式会社としての活動期間(国営企業の上場を伴う民営化案件を除く)
1年以上 2年以上
株主数(国営企業の上場を伴う民営化案件を除く) 100人超(大株主を除く)が総議決権の15%以上を占める。 300人超(大株主を除く)で総議決権の20%以上を占める。
財務状況
  • 自己資本利益率(ROE)5%以上
  • 1年を超えた未払債務及び欠損金がないこと
  • 自己資本利益率(ROE)5%以上
  • 連続した2期で黒字であること
  • 1年を超えた未払債務及び欠損金がないこと
その他の主な規則
  • 個人株主や機関株主の委任代表者が取締役会や監査役会のメンバーである又は社長、副社長、会計主任者の役職にある、又は大株主が取締役会のメンバーや監査役会、社長、副社長、会計主任者の関係者である場合、所有する株式100%を上場後6か月保有しなければならず、その後の6か月においても50%以上を保有し続けなければならない(但し国側の代表者としての個人を除く)。
  • 会計規則の遵守
HNXと同様の規則のほか、以下がある。

  • 取締役会や監査役会のメンバー、社長、副社長、会計主任者、大株主、これら関係者は会社より負債がある場合には公に開示しなければならない。