現地法人を設立する際の事務所や土地にかかる保証金や賃料・リース料、コンサルティング会社への費用、設立に要した交通費や宿泊費など、現地法人が負担すべきであろう費用について、親会社ではなく第三者が立て替えた場合、法人税法上の費用(損金)として認められるか、今回は、こちらをご紹介します。
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損金算入条件
- 企業の生産活動や事業活動に関連し、実際に生じた費用であること。
- 当該第三者が立て替えて支払う旨の合意書(又はローン契約書)があること。
- 当該第三者の名前が正確に記されたインボイスがあること。
- 2,000万ドン以上の価額に対しては、当該第三者への銀行送金の証憑があること。
(財務省通達219/2013/TT-BTC, 45/2013/TT-BTC, 96/2015/TT-BTC)
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実務上の留意点
- ベトナムの税務では外国語で記載された各種の証憑に対して、ベトナム語訳を付ける必要があります。ベトナム語訳の正確性を求められるため、認定された翻訳業者に依頼するのが一般的です。
- また、日本における領収書は、(インボイスとして)ベトナムで求められる内容が十分に含まれないケースがあるため、領収書発行元にベトナムで求められる内容を十分に含むよう依頼するか、又は、当該領収書がどのような内容に対する領収書であるか、契約書その他の証憑にて十分に説明可能であるよう準備しておく必要があります。
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2019年9月より施行された中央銀行通達06/2019/TT-NHNNによって、以前は不明瞭であった(海外への)銀行送金条件が改善されています。上記が揃えば、付加価値税のインプット控除の条件も自動的に満たすことができます。
なお、設立前費用は最長で3年に振り分けて繰延償却することが可能です。