弊社で大きく分類し対応しているのは下記7つの行為です。
- 不正な関連者間取引
- 不正出金
- 不正なキックバック
- 不正登記
- 公金詐欺
- 贈収賄
- 不正競業
- 粉飾・循環取引
これらは、ベトナム人が行うという意味ではありません。
ベトナム法人の現地代表を任せている日本人が行うケースも増えていると思います。
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例えば、日本にある親会社に隠れてベトナム現地法人の代表ができることとして、下記のようなことがあり得ます。
- 実際にはない残業時間の計上
- 実際には勤務していない友人知人との労働契約、社会保険の支払い
- 個人使用の建物や車両の賃借料・リース料の計上
- 会計証憑の揃っていない従業員立替費用の承認
- 在庫品や原材料の横流し
これらは「不正出金」の事例です。
「不正登記」「公金詐欺」は、日本法・日本の常識からは想定しにくいことがあります。
日本であれば、上記した行為があれば法的措置を最終手段として解決を図ることができるでしょう。
ここ20年ほどの間にどの上場企業もしっかりしたコンプライスを構築してきたものと思います。しかし、ベトナムではどうでしょうか。
私たちは知らぬ間に、日本法や日本の訴訟制度・日本の警察組織を頭に浮かべてその対処を考えているのではないでしょうか。
ベトナムではそもそも「何が不法行為となるのか」「どのような罰則があるのか」「日本とは何が異なるのか」・・・しっかりご存知の方は少ないと思います。となると、不正を行った者に対して責任を追及しても「認識のずれ」が生じます。
こういったとき、ベトナムは「法治」ではなく「人治」と感じたりしますが、これは私たちが日本人として、ベトナムにいても日本法・日本の慣習に従っているからこその基準です。ベトナムしか知らない人々には未知の尺度です。
例えば、脅迫、恐喝、横領、背任、詐欺・・・日本とは取り扱いが全く違います(あくまで弊社の考えです)。
そこに、現地の長い日本人が「便乗」していくケースは増えていると感じますし、これからも増えていくのではないでしょうか。
これらは性善説で対策していくことは難しいもので、実際に何か起こってからも、日本人弁護士(外国登録弁護士)・日系弁護士事務所・日系法律事務所はローカル紛争に携わってはいけないルールがありますので、初動が大幅に遅れがちです。
予防・対策はもちろん可能です。実際に何かが起きた場合は、まず「非法的措置(法的措置を使わない方法)」として何ができるのか、「法的措置」としては何があってどの程度のスケジュールでできるのかを迅速に整理することができます。
「法的措置」は、民事訴訟、刑事事件、行政訴訟、仲裁や調停などの経験豊富なローカルの弁護士事務所や法律事務所の選定し、証拠収集と整理を行った上で説明をして初めて見通しが立ちますが、ベトナムでここまでの作業を行うだけでもいろいろなハードルがあります。日本と違い判例が少ないことから、担当弁護士の力量も見定めなければなりません。
日本人弁護士が必要な場合には、弊社が懇意にしている日本の準大手弁護士事務所との協業も可能です。