いつもお読みいただきありがとうございます。製造の原材料として輸入可能なスクラップ・廃材の新規定(首相決定28/2020/QD-TTg)が2020年11月15日より施行されますので、ご紹介します。
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経過規定
まず、旧規定である首相決定73/2014/QD-TTgが2020年11月15日で失効しますが、旧規定に基づいて輸入許可(確認書)を得ていた場合には、確認書上の効力日まで輸入が可能となります。
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製造の原材料として輸入可能なスクラップ・廃材
分類 | HSコード(ベトナム法では8桁を使用します) |
鉄スクラップ・鋼くず | 72041000, 72042100, 72042900, 72043000, 72044100, 72044900 |
廃プラスチック | 39151010, 39151090, 39152090, 39153090, 39159000 |
紙やパルプの廃材 | 47071000, 47072000, 47073000, 47079000 |
廃ガラス | 70010000 |
非鉄金属スクラップ | 74040000, 75030000, 76020000, 79020000, 80020000, 81110010 |
高炉水砕スラグ(鉄鋼スラグや銅スラグ含む) | 26180000 |
上記のうち、47079000及び26180000は、2021年12月31日までの期限付き輸入許可となっています。
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適格証明書
スクラップや廃材の(原材料向け)輸入は、取り扱いの適格証明書(確認書)が必要となります。これは、輸入する材料の分類(上の表)によって確認する法令が異なりますが、政令38/2015/ND-CPをベースとして(政令40/2019/ND-CPにて一部修正されています)、品質規格(国家規格)である各種のQCVNを確認していく作業となります。本レターでは割愛いたします。
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日本企業の製品は、日本を飛び出してからはタイや中国を中心に生産され、ここ十数年ベトナムでも多く生産されるようになりました。弊社の手元情報では、約10年前は20%程度であったベトナムの原材料調達率(現地調達率)が現在は35%以上となり、タイや中国の数字(60%以上)にはまだまだ追いつきませんが、少しずつ伸びてきています。
上記の規定では、旧規定に比べて、輸入可能なHSコードの数が大きく減りました。ゴミや廃棄物を再資源化する技術やプラントは、ベトナムにおいてまだ少なく、ゴミや廃棄物を分別して収集するネットワークも地域によりけりで、かつ企業が入っていくような段階ではなく(外部から透明化されているプロセスではなく)、地元の一定の利権になっていると思います。今回のような法令と共に、良い「循環」が活性化されることを期待します。