いつもお読みいただきありがとうございます。今回は、ベトナムへ赴任予定だった外国人が予定通りに報酬を受けながらもベトナム入国は数か月遅れ、結果として2020年において非居住者になるケースの個人所得税申告についてご紹介します。
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本ケース
- あるシンガポール人は、2020年7月1日からベトナムで就労予定で、そのように雇用契約書にも定められていました。雇用契約書の期間は2年です。
- しかし、新型コロナウィルスの状況によってベトナム入国時期を8月末とし、それまではシンガポールにてテレワーク勤務としました。報酬は定められた通り支払われました。
- 2020年の暦年(1月~12月)で見た場合、このシンガポール人は183日未満の非居住者となりますが、ベトナムにおける個人所得税の申告はどのような範囲になるか。
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考え方
- 90日以内の短期出張者に該当しませんので、ベトナムにおける所得をベトナムで申告をしない(居住国で申告する)という選択肢はありません。
- 弊社118号レターでご紹介した事例のように、初めての赴任であれば、暦年でなくても入国日(赴任のための入国日)から1年間で居住者判定がなされます。
※118号レターは、日本居住のケースですが、ベトナムとシンガポールにも同じような租税協定があり、且つベトナムの内国法でも同様の規定があります。
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実務では、年次の確定申告で最終調整を行いますが、企業は特別徴収者として、四半期では累進税率に則った仮の天引きを行わなければなりません。