ベトナムの一般的な商業活動において外貨売上や外貨取引が禁止されて、しばらく経ちました。
新たな罰則規定が政令88/2019/ND-CPとして2019年12月31日より施行されています。以前の政令96/2014/ND-CPより罰則が緩和されていますので、ご紹介します。
==
従来規定（政令96/2014/ND-CPの第24条6項c号）
契約書、合意書、公表において外貨表示された取引や見積もり又は査定、商品やサービスの価格を外貨表示した広告、外貨表示された土地使用権など非合法な行為に対しては、2億ドンから2億5,000万ドンの罰金を科する。
==
新規定（政令88/2019/ND-CPの第23条4項n号）
契約書、合意書、公表において外貨表示された取引や見積もり又は査定、商品やサービスの価格を外貨表示した広告、外貨表示された土地使用権、その他の同様の（商品やサービスの価格又は契約や合意の価額の換算や調整も含む）非合法な行為に対しては、3,000万ドンから5,000万ドンの罰金を科する。
===================
新規定に加わった「その他の同様の」という部分については、商品やサービスの価格表示の際にドルや円での相当額を記載すること、契約書や合意書においてドルや円の相当額を記載することを新たに禁止するようにも解釈可能であり、これを罰則対象の範囲が広がったとする向きもありますが、注目すべきは罰則金の大きな減額です。
国家銀行は、これらの違反行為が経済に与える影響は大きくないものとして声明を発表しています。一方で、不正に対して寛容になったという見方もあるようです。
ベトナム領土内における外貨使用が許可される場合の具体的規定は他の法令にありますので、またの機会に紹介させていただきます。