ダナン市には、2015年4月よりソフトウェア産業の投資誘致を目的とした優遇制度がありました。これが、2020年5月28日より廃止されました。
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ダナン市のこれまでの優遇制度(人民委員会決定10/2015/QD-UBND)
- 対象業種:ソフトウェアの輸出産業
- インフラ優遇(3年まで):ソフトウェアパーク内のレンタルスペース20%割引、ホスティングサーバーの30%割引、ネットワークやデータベース設置費用や付属サービスの20%割引、共用スペースの20%割引など。
- 人材研修や管理研修の支援制度:技術移転契約のケースを除く初期トレーニング費用(職業訓練費用)の30%補助(各種プログラミングスキル、プロジェクト管理スキルなど)。3年で計5,000万ドンまで。国際的な品質保証プロセスについてコンサルティング支援(2億ドンまで)など。
- 販売支援制度:著作権保護費用の支援、国際商談会の費用支援、公的サイトなどにおける宣伝支援
- 優遇融資制度
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今回の決定(人民委員会決定13/2020/QD-UBND)
- 2020年5月18日に人民委員会決定10/2015/QD-UBNDの廃止を決定し、その10日後である5月28日に人民委員会決定13/2020/QD-UBNDが施行されました。
- 2020年5月28日までに申請を受理された企業、及び既に適用を受けている企業は、従来通りの優遇制度が適用されます。
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本レターの作成は2020年5月22日、予約投稿で2020年6月14日にアップされます。本レターで紹介したダナン市人民委員会の決定は、数日前(2020年5月22日の数日前)にベトナムの新聞記事より知ったのですが、そこには、「ソフトウェア産業はダナン市の個別優遇制度に依拠せずとも、国家としての各種の優遇制度があるので、それを活用できるであろう」とコメントされていました。
しかし、筆者が知る限りでは、これまでのダナン市の優遇制度と同様またはそれ以上の幅広な全国的制度や他地域制度はないと思われます。ダナン市は、ソフトウェア産業の誘致を積極的に進めてきた地域として強い印象があり、若い人材・高度人材の市場は既に飽和状態などと聞いていますが、今後、どうなっていくのでしょうか。