テクコムバンクは、ベトナムローカルの商業銀行として支店数も多く使いやすいことで知られています。聞くところによると、本年3月22日のテクコムバンク内の決定により、居住者、非居住者に限らず、外国人が個人で保有する口座に対して制限がかかるようです。今月5月31日まで猶予期間となっていますが、6月1日からは全面施行されます。
(6月10日追記:その後、10月1日まで猶予期間が変更されたようです)
==
変更内容(外国人向け)
- インターネットバンキング:現在は、特に証憑提出などは必要とされず使用できます。6月1日以降はインターネットバンキングサービス自体が使用できなくなるようです。
- ATMの使用:カードの種類によって違いはあるものの、現在の一般的な出金限度額は、1回あたり500万ドン、1日あたり2,000万ドンです。6月1日以降はATMサービス自体が使用できなくなるようです。
- 窓口での取引:現在は、窓口での出金について特に証憑提出を必要とされません。6月1日以降は証憑提出が必要となるようです。窓口での振込も同じようになると思われます。なお、テクコムバンクは一般的に窓口での入金ができないと認識しています。
つまり、テクコムバンクに個人預金のある外国人の方は、今後、振込や出金のたびに窓口へ行かねばなりません。
==
他の銀行(弊社調査)
5月始めに、Vietcombank(ベトコムバンク)、Viettinbank(ヴィエッティンバンク)、Sacombank(サコムバンク)、Shinhan Bank、BIDV、VP Bank、HD Bank、Mizuho Bankを調査しました。他行では上記のような変更はないようです。
この中で、インターネットバンキングが使えない銀行は(ドル買いの国際送金のみ)BIDVとVP Bank、ATM入金が使える銀行はShinhan Bank、ATMカード自体がない銀行はMizuho Bank、窓口入金ができる銀行は(証憑が必要)Vietcombank(ベトコムバンク)、Viettinbank(ヴィエッティンバンク)、Shinhan Bank、HD Bankとなっています。いずれも、従来と今後に変更点はないようです。
==
上記変更にかかる法令根拠
個人口座の使用について細則を定めた中央銀行通達16/2014/TT-NHNNを根拠としているようです。弊社から再三問い合わせたのですが、具体的な条項や条文には言及されませんでした。
===================
弊社担当の意見では、テクコムバンクが外国人の取引に関して(長年)規制緩和の対象となっていたところ、管理強化の対象になったのではないか、ということでした。