決算書に誤りがある場合、自ら修正し再提出するケースと税務調査などで指摘されてから修正するケースではどのように違うのか、紹介します。
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本税と附帯税
計上に漏れがあったり、勘定科目の使用に誤りがあったことによって修正申告を行う場合、追加納付する「本税」と、加算税や延滞税などの「附帯税(罰則)」に分かれます(2019年税管理法)。
- 本税:追加税額
- 附帯税(1)延滞税:本税に対して日0.03%
- 附帯税(2-1)固定額罰金:税手続き違反の場合(行為の内容によって罰金額は異なります。)
- 附帯税(2-2)加算税:過少申告などの場合(本税に対して原則20%)
- 附帯税(2-3)重加算税:租税回避行為がみられる場合(本税と同額~本税の3倍額)
自ら修正することは、上記の附帯税(2)の3種類の対象外となります。なお、上記は決算書の修正申告についてですが、税関申告について誤りがあった場合の修正申告は異なります(加算税10%など)。
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修正申告の期限
税務当局が税務調査を決定する前であれば、いつでも修正可能とされています(財務省通達156/2013/TT-BTC、166/2013/TT-BTC)。税務調査を実施する前であっても、税務調査を決定した後であれば上記の附帯税(2)の対象となります。
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附帯税(罰則)の時効
- 本税:10年
- 附帯税(1)延滞税:10年
- 附帯税(2-1)固定額罰金:2年
- 附帯税(2-2)加算税:5年
- 附帯税(2-3)重加算税:5年
附帯税の最長時効期間が5年であることから、一般的に、税務調査は5年サイクル程度を見通したほうがよいと言われています。また、10年ぶりに税務調査があったとしても、対象期間は5年程度になるケースが多くなります。
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企業の解散(清算)、吸収合併、分割、駐在員事務所の閉鎖などにおいては、税務調査が入ります。また、内資企業(ベトナム国内出資企業)を買収した後しばらく経ってからなど、税務調査が入りやすいタイミングと言われています。
したがって、その前に一度専門家にご相談いただき、修正申告の可能性について検討されることをお勧めいたします。