投資プロジェクトの拡張を行った際に受けられる法人税優遇について、紹介します。
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適用条件
投資プロジェクトの拡張において法人税優遇を受ける1つ目の条件は、基本の投資プロジェクト(既に稼働しているプロジェクト)が優遇税制の適用条件に該当している必要があります。地理的、業種的など、いくつかの尺度があり、細かな規定がたくさんありますので、別の機会にまとめさせていただくか、お問い合わせいただければ対応いたします。
2つ目の条件は、以下の3つのうち、いずれか1つに該当していることです。
- 拡張プロジェクトが完了して稼働した際に、拡張分固定資産の取得原価が200億ドン以上となっていること、ただし、「困窮している地域」(法人税の細則を定めた政令218/2013/ND-CPに規定される)においては、その金額が100億ドン以上でよいとされます。
- 拡張プロジェクトにおける拡張分固定資産の取得原価が、拡張前の全ての固定資産の総取得原価に比べて、20%以上を占めること。
- 拡張投資を行うことにより、初期投資前のフィージビリティスタディにおける処理能力に比べて、20%以上の能力がアップされていること。
上記の2つの条件にあてはまらず、基本の投資プロジェクトの資本や資産を増やしたり変更したりするケースは、基本の投資プロジェクトに(既に)適用されている優遇税率や減免税の中で処理されることになり、投資プロジェクトの拡張において法人税優遇を受けることにはなりません。
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適用期間
- 企業は、(1) 基本の投資プロジェクトに適用されている優遇税率や減免税(残り期間)を適用するか、または (2) 拡張投資による所得分についての減免税(新たな期間)を適用するか(優遇税率は受けられません)を選択できます。
- ただし、上記(1)の場合には、拡張プロジェクトが基本の投資プロジェクトの優遇税制条件(地理的、業種的など)に合致していなければなりません。上記(2)の場合には、拡張投資による所得分は個別に帳簿計上しなければなりません。個別に帳簿計上されない場合には、拡張プロジェクトにおける拡張分固定資産の取得原価が拡張前の全ての固定資産の総取得原価に占める割合にて判定されます。
優遇税率や減免税の種類については、弊社006号レターもご参照ください。
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優遇税率や減免税の適用は、特定のケースを除き、企業自身にて記帳、申告、納税を行いますので、不明な点は、自己判断するよりも公文書で確認を行ったほうがよいでしょう。
本レターは、法人税の細則を定めた財務省通達「96/2015/TT-BTC」と「130/2016/TT-BTC」を参照しました。