企業が顧客先や従業員に対して贈答品やプレゼントを贈る際の付加価値税と法人税の処理について案内します。
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法人税上の損金としての取り扱い
- 顧客先や従業員に対しての贈答品やプレゼントを法人税上の損金として処理するためには、十分な証憑を揃える必要があります(財務省通達96/2015/TT-BTC、ハノイ税務局2017年公文書79109/CT-TTHTなど)。
- 従業員への贈答品やプレゼントは、福利厚生の性質を持つものとして、年度における月平均給与1か月分を超えてはなりません(税務総局2019年公文書4003/TCT-CSなど)。
- 事業との関連性が全くないと見受けられる場合以外には、現行法で否認される可能性は特にありません。
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付加価値税法上の取り扱い
- 原則として、贈り主は販売手と見られ、インボイスを発行しなければなりません(財務省通達26/2015/TT-BTC、ハノイ税務局2019年公文書11505/CT-TTHTなど)。一般的な実務では、発行したインボイスは自身にて保管します。
- ただし、インボイスを発行しなくて良い例外として、20万ドン未満の価値の贈答品であり、受け取り主(買い手)が要求しない場合(など)があります(財務省通達39/2014/TT-BTCの第18条1項)。しかしながら、当該通達は2020年10月末で失効となり、変わる新通達には当該規定は除かれていることに留意が必要です。
- アウトプット(仮受)付加価値税は、精算を受けた旨の証憑が必要となり、贈答品では精算が発生しませんので、処理はできません(財務省通達26/2015/TT-BTC)。税務コストとなります。
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アウトプット(仮受)付加価値税についての最後のくだりは、言い換えれば、無償の贈答品やプレゼントであっても付加価値税の精算を受けるべき課税取引になるという意味になります。これは、日本の税務とは異なることに留意する必要があります。