いつもお読みいただきありがとうございます。今回は、交際費に該当する飲食費用についての会計処理についてご紹介します。
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原則
飲食費用は、原則的に法人税法上の損金、付加価値税法上の控除の対象となります。特に金額の制限はありません。ただし、いくつかの条件を満たす必要があります。
- 実際に支払った費用であることを証明するために(ベトナムは飲食店よりインボイスが購入できますので)、飲食に同行した者のリストが必要です(氏名、職位、社名、電話番号)。
- インボイスの他に、フードやドリンクの明細が表示されたレシートが必要です。
- 2,000万ドンを超える場合には、銀行振込やクレジットカード(デビットカード)精算などの非現金決済が必要です。非現金決済の原資はベトナム国内の口座でなくてはなりません。
- 非現金決済は、個人名義のカードでも可能ですが、立替に関する社内規定が必要となります。
- 日本のように金額によって「会議費」とするような括りはありません。
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定性的な条件
税務当局は公文書などを通じ「過剰と見られる場合には当該費用を否認する」としています。したがって、上記の条件は、いわば「定量的な条件」であり、それ以外に、税務当局による「定性的な条件」(裁量)があると言えます。
- 飲食費用が、その企業の業績に対して適切な額であるのか。
当然と言えば当然なのですが、まだ売上があまりあがっていないベトナム現地法人で日本の親会社と同じ感覚で費用を使用するケースは、このリスクがあります。
駐在員事務所であれば、日本の親会社の代わりに活動することもありますので許容範囲はあるとされていますが、これも駐在員事務所の代表の個人遊興とされた場合には、個人所得税の対象とされますので厄介です。
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「裁量」と上記しましたが、ベトナムの税務当局が追徴課税を行う場合、口頭であってもしっかりとその理由を言います。その際の正当な理由は準備しておきたいものです。
実際にできる対策として、飲食に同行した者のリスト(氏名、職位、社名、電話番号)をしっかり作成しておくことに加え、その飲食がどのような目的があるのかを説明できるように準備しておくことだと考えます。簡単な目的記載でいいと思います。そうすれば、例えば、日本の親会社から出張者が来てこれをベトナム現地法人が迎えて飲食費用を持つことも当然可能です。
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追徴課税について(参照:弊社076号レター)