私たち「外資」がベトナムでビジネスを行う際には、投資法の定めに従います。その中で、業種や地域、プロジェクトの種類などに応じて「投資優遇」が定められています(2014年投資法の第15条及び第16条)。直近の関連法令より、投資優遇の対象業種の拡大について定めた政令37/2020/ND-CPを紹介します。
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投資優遇の業種
投資優遇の業種は、投資優遇特別分野と投資優遇分野に分かれます。投資優遇特別分野には、ハイテクや情報技術分野、農業分野、環境保護やインフラ建築物分野、文化・社会・スポーツ・医療分野の4カテゴリーに分けられ、投資優遇分野は、科学技術・電子工学・機械製造・原材料生産など分野、農業分野、環境保護やインフラ建築物分野、教育・文化・社会・スポーツ・医療分野、その他の分野の5カテゴリーに分けられます(政令118/2015/ND-CP)。
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新たに加わった投資優遇分野
2020年5月15日より施行される政令37/2020/ND-CPにおいては、投資優遇分野の「その他の分野」として、中小企業支援法に基づく事業分野が加わりました。具体的には以下の4種類とされています。
- 中小企業製品のサプライチェーン
- 中小企業インキュベーション施設
- 中小企業を支援する技術施設
- 中小ベンチャー企業のコワーキングスペース事業
これら用語の定義は、中小企業支援法の第3条に定義づけされていますが、特に細かな説明が付されているわけではありません。
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中小企業判定基準
中小企業とは、年間の平均社会保険加入者数が200人以下であり、且つ、次の2つの基準のいずれかを満たす企業とされます(中小企業支援法第4条)
- 出資総額が1,000億ドン(約5億円)以下である。
- 前年の総売上が3,000億ドン(約15億円)以下である。
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投資優遇は、基本的に投資ライセンス(IRC)上にその旨が記載される必要があります(実務上は省市によって異なっています)。これは、事業主(プロジェクト主)が自らの判断で申請する必要があります。忘れがちですので、注意してください。
なお、対象事業が途中より条件を満たした場合でも申請は可能です。
投資優遇とは主に優遇税制の適用となります。弊社006号レターも参照ください。