土地は、所有者を代表する国家が統一的に土地を管理し、大きく分けて「割当て」及び「リース」により「土地使用権」を取得することができます。
建物等の地上に立てられた不動産資産(上物)は、日本と同様に、土地とは区別された権利として、「所有権」や「区分所有権」を取得することができます。
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下表は、2013年土地法(45/2013/QH13)及び2018年修正法(35/2018/QH14)、2014年住宅法(66/2014/QH13)、不動産事業法(66/2014/QH13)、及び関係法令によって、内資法人又は外資法人が、不動産についてどのような権利を有することができるか、大きく分類整理した表となります。
土地も上物も、その所有権は基本的に50年を上限として定められており、条件を満たせば70年や99年に延長が可能となりますが、外資法人の場合には、投資ライセンスにおける活動期間を超えることはできません。
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外資法人の土地使用権取得
- 外資法人は、上表の「有償割当て」や「リース」による土地使用権の取得のほか、サブリースや現物出資による土地使用権の取得が可能です。
- サブリースは工業団地等で用いられる手法で、不動産デベロッパーなどがサブリース事業としてプロジェクトを登記(投資ライセンス)した上で実施されます。例えば、工業団地の場合、工業団地主にレッドブックが発給されるだけでなく、サブリースとして入居する企業にもレッドブックが発給されます。住宅の場合に、区分所有権を取得した者がレッドブック(ピンクブック)を発給されることと同様です。※現在、レッドブックとピンクブックの分類は、昔にような分類ではなくなっています。
- 現物出資による土地使用権の取得とは、土地使用権の所有者が、ある法人に対して土地使用権をもって現物出資を行い、当該土地使用権が当該法人の資産となることから、合弁相手である企業が実質的に土地使用権を所有したとなる状況を指します。
- なお、ベトナムの内資法人や個人間では、土地使用権の直接売買(譲渡)、贈与、相続が認められていますが、外資法人には認められていません。詳細はまたの機会にさせていただきます。
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ベトナムでの事業展開は、今後、不動産戦略がより重要さを増してくるのではないでしょうか。土地の所有者たちとどのような「座組み」をしていったらいいのか、紛争時のアクションケーススタディーも含み、しっかりとしたケース構築をしていくべきでしょう。