いつもお読みいただきありがとうございます。10月19日、電子インボイスの強制適用時期が2022年7月1日に延長されました。
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法律間の矛盾
- 2018年11月1日に施行された政令119/2018/ND-CPでは、紙インボイス(自己印刷式の紙インボイス、注文印刷式又は当局配布の紙インボイス)が使用できるのは2020年10月31日までと定められ、電子インボイスの強制適用は遅くとも2020年11月1日と定められました。同時に、紙インボイスについて詳しく定めた政令51/2010/ND-CP及び04/2014/ND-CPの失効が定められました。
- 一方で、2020年7月1日に施行された2019年税管理法(改正法)では、この法律内の電子インボイスに関する各種規定は2022年7月1日より適用されると定められました。
これらにより、本年7月1日より電子インボイスの強制適用時期(紙インボイスが使用できなくなる時期)について矛盾が発生しておりました。
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新たな法律(2020年10月19日付け政令123/2020/ND-CP)
- 2019年税管理法に準じる形で、政令119/2018/ND-CPに定められた「2020年11月1日規定」が削除されました。同時に、紙インボイスについて詳しく定めた政令51/2010/ND-CP及び04/2014/ND-CPの効力が2022年6月末まで延長されました。
これらにより、紙インボイスは引き続いて2022年6月末まで利用できることとなりました。
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弊社では本年6月後半に書いた95号レターで、本件矛盾には特に触れず、政令119/2018/ND-CPの解釈を維持する方向性で、電子インボイスの使用を推奨してまいりました。
業態によっては、電子インボイスへの体制変更は難しく、紙インボイスと電子インボイスの発行タイミングが異なるケース(参照:102号レター)にとまどうこともあると思います。
今回の新政令では、税務当局が企業に対して電子インボイスを強制適用するようなケースも想定されています。この場合には、正当な理由がない限り、税務当局の要請を拒否できないようです。詳しくはまたの機会に書かせていただきます。