いつもお読みいただきありがとうございます。今回は、会計年度の変更についてです。
ベトナムは、毎年の1月~2月、旧暦に沿った正月期間があります。したがって、会計年度が暦年(1月~12月)である場合、旧暦正月前後に決算作業が発生し、かつ法定監査も受けなければならないとして、少々バタつきます。昨今ではこの時期に特別料金を取る会計事務所や監査法人もあり、今頃の時期(12月)には、翌年3月までのスケジューリングをしておかねばなりません。
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会計年度の変更の手順
- 変更を行う日より10日以内に届出を行う必要があります。
- 旧会計年度と新会計年度の狭間となる期間について、決算を行い、税申告を行う必要があります。
(例)
現在の会計年度(第15期)が2020年1月1日から2020年12月31日までの暦年であり、新しい会計年度が2021年4月1日から2021年3月31日までとします。
この場合、2021年1月1日から2021年3月31日までの決算申告を行う必要があります(第16期)。
- なお、新規の会社設立時や活動最終会計年度、資本形式の変更・合併・吸収・分割・解散・破産などの会社形式の変更があった場合で、3か月に満たない会計期間がある場合には、15か月を超えない範囲で年次決算を連結決算とすることができます(参照:弊社046号レター)。
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税優遇期間の適用
- 税優遇は、会計年度を変更した場合、上記事例における「第16期」について適用とするか不適用とするか選ぶことができます。
(例)
法人税優遇が4免9減のケースで、2018年度から2021年度の4年間が免税適用期間であったとします(優遇税制の適用期間は、弊社006号レターを参照ください)。
上記事例のように2021年度より会計年度を変更した場合、2021年1月1日から2021年3月31日までの期間(第16期)を優遇税制の適用期間として適用するか不適用とするか選択することができます。
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会計年度は、企業の定款に定められます。
例えば、M&A後のPMI(Post Merger Integration)における定款の見直しは必須です。会計年度の精査も必要でしょう。ただし、従来出資者や従来経営陣が残っているケースでは、まずは、SHA(Shareholders Agreement)等においてあらかじめ定めた範囲にとどめた方が良いでしょう。