弊社082号レターにて少し触れたように、環境保護法の改正案が国会で議論されております。その中で、環境ライセンスという新たな許認可が発生するようですので、こちらを一部ご紹介します。
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環境ライセンスの定義(草案第3条23項)
環境ライセンスとは、権限を有する国家管理機関によって発給される書面であり、生産・事業を行う組織または個人が、環境への排出業務、廃棄物管理、生産原材料とするスクラップの輸入を行い、法令に定められた環境保護の要件や条件を満たすことを承認するものである。
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プロジェクトの区分
草案では、環境保護に関連する投資プロジェクトは全て、以下の4つに区分されるとあります(第37条)。
- プロジェクトの準備段階にて環境影響評価報告書(EIA = Environmental Inpact Assessment)のみ実施し、環境ライセンスを要さない投資プロジェクト。
- プロジェクトの準備段階にてEIAを実施しなければならず、プロジェクトの廃棄物処理施設の試験稼働前(プロジェクト実施フェーズ)に環境ライセンスを要する投資プロジェクト
- プロジェクトの準備段階にてEIA実施を要さないが、環境ライセンスを要する投資プロジェクト。
- 上記3種に該当しないプロジェクト。
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環境ライセンスの対象者、申請要件(草案第38条、第46条~第49条)
現時点では草案ですので、確定法になりましたら、翻訳掲載するようにいたします。新法では、新規投資プロジェクト検討の際に、EIAの要否に並行して、環境ライセンスまたは環境登録の要否が問われる建付けになっています。
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ベトナムは、産業の発展に伴って環境関連の「わかりやすい法整備」が必須でしょう。個人としての肌感覚でもベトナムの水環境汚染や大気汚染を感じる機会があります。日本の高度成長期にあったような公害が、まだまだこれから出てくると考えれば少し恐ろしいです。
これは、ベトナムの各所の意識が低いということではなく、逆に、ベトナムの各所の意識は高いと感じます。
ただ、省や市によって経験値が異なるためか、例えば、重工業全般に対して単に対応を厳格にしているようなケース(特に具体的な理由がないのに処理速度が遅かったり追加書類を次々に要求されたり、等)が見受けられます。
日系企業のプロジェクトに対しては、その技術と理念に対して「先物的な信用」をいただきたいものです。