いつもお読みいただきありがとうございます。2021年1月1日に施行される2019年証券法より「公開会社」について紹介します。
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公開会社の定義
2006年証券法では、次のいずれかの株式会社が公開会社と定義されています。
- 公募による増資を行った企業
- 証券取引市場又は証券取引センターに上場した株式を有する企業
- プロの証券投資家を含まない100名以上の株主を有し、払込済み定款資本金が100億ベトナムドン以上である企業
2019年証券法では、次のいずれかの株式会社が公開会社と定義されています。
- 払込済み定款資本金が300億ドン以上で、議決権付き株式の10%以上が大株主を除く100名以上の株主である企業
- 公募規定に準じ、国家証券委員会(SSC)への届出を行った上で初回公募を完了させた企業
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公開会社の特徴
- 日本では現在、公開と上場の意味に違いがなくなっていますが、ベトナムでは「公開=上場」「初回公開売り出し(IPO)=上場」ではありません。ベトナムでは「店頭登録制度」があります(日本の昔の店頭登録制度とも少し異なります)。したがって、訳文によっては、「大衆会社」と訳されるケースもあるようです。
- 公開会社は、証券法に関連する規定によって、様々な情報公開義務があり、例えば、私募形式による増資であっても、関連当局に届出が必要とされています(2006年証券法に紐づく政令に規定されていますので、2019年証券法が施行される前後に、新たな政令や通達が出るものと推測します)。
- 取締役会の会長や、会社の総社長又は社長に対して、ステークホルダーの関連者であってはならない旨の規定があり、取締役会の会長は、会社の総社長又は社長を兼任することができません。
参照(2019年証券法関連):弊社016号レター
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2020年は新たなリスクと向き合う時期となりましたが、筆者の友人知人たちには、自社を力強く成長させ、本年、日本の証券市場で上場させた方が多くいます。ベトナムに関連している会社が何社もあります。ここ数年は疎遠になっていて、いつのまに!というケースもありますが、落ち着いたら、ぜひお祝いをしたいものです。
なお、弊社では、ベトナムの内資企業で成長中の非公開会社に対して私募サポートを行ってきています。そのようなベトナム企業があった場合には、ご紹介いただければ幸いです。