いつもお読みいただきありがとうございます。今回は、ベトナム国外からベトナムの保税倉庫を利用した取引における税務(外国契約者税)についてです。
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保税倉庫を利用する取引
- 弊社164号レターでご紹介したように、外国法人が保税倉庫を直接賃借したり、インランドコンテナデポ(ICD)を使用したりすることは可能です。
- 保税倉庫やICDには、ベトナム国外から運び込まれ輸入通関手続きを行わずにそのまま再輸出される貨物、ベトナム国外から運び込まれ輸入通関手続き待ちで保管されている貨物、ベトナム国内から輸出通関手続きを終えて保管されている貨物が保管されます。
- 外国法人が保税倉庫やICDを利用するケースは、(1) ベトナムに所在する事業者に対して製品販売を行う取引、(2) 国際運送やトランジットの支援、(3) 加工委託を行う際の原材料を保管する目的等でしょう。
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外国契約者税が発生するケース
- 上記の「(1) ベトナムに所在する事業者に対して製品販売を行う取引」となります。外国契約者税の税率は、弊社063号レターを参照ください。
- この場合のベトナムに所在する事業者は、ベトナム領土にある事業者としてEPEも含みます。
- なお、保税倉庫やICDに保管されるべき貨物が上記で大別した3種類であることから、保税倉庫やICD内で所有権が移転するような取引は否認されています。
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外国契約者税が発生しないケース
- 上記の「(2) 国際運送やトランジットの支援」「(3) 加工委託を行う際の原材料を保管する目的」です。外国契約者税について定めた財務省通達103/2014/TT-BTCの第2条5項にそのように定められています。
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外国契約者税を定める法令は、ここ6年間更新されていません。
今後、DX産業等の発展と共に、様々な物流や商流が発生し、国際課税に関する議論が活発になっていくでしょう。