いつもお読みいただきありがとうございます。今回ご紹介する供託金(エスクロー)の制度は、業種ごとに発生するものではなく、投資プロジェクト全体に対して発生するものです。
主に、国家から直接に土地を割当て又はリースされる際(参照:弊社007号レター)、土地使用目的の変更を要する際となります(2014年投資法の第42条、2020年投資法の第43条)。
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供託金額と供託タイミング(政令118/2015/ND-CPの第27条)
- 供託金額は、3,000億ドンまでの資本分について3%、1兆ドンまでの資本分について2%、それを超える資本分については1%とされます。
- これら資本分には、国家に納付する土地使用料や投資プロジェクトにおける公共事業費用は含まず、フェーズ分けされたプロジェクトについてはそれに応じた供託金額となります。
- 供託のタイミングは、土地の割当てやリースが決定した時点、土地使用目的の変更許可が下りた時点となります。
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供託金額の減免(政令118/2015/ND-CPの第27条及び2020年投資法の第43条)
- 投資優遇分野である場合、またはそれに相当するケースでは、供託金額は25%減となり、投資特別優遇分野である場合、またはそれに相当するケースでは、供託金額は50%減となります。投資優遇分野及び投資特別優遇分野については、弊社の056号レターや116号レターも参照ください。
- 投資プロジェクト実施のための土地使用権を競売にて落札した投資家が国家に対して土地使用料を一括払いしなければならないケース、入札法の規定に準じて土地使用権を落札したケース、これらのプロジェクトを譲渡されたケース等においては、供託は免除されます。
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今回ご紹介した供託金は、事業実施期間中全てに必要とされるものではなく、プロジェクトが一定の進捗を経過すれば償還されるものとなります。
なお、根拠法令として示した「政令118/2015/ND-CP」は、2020年末で失効する2014年投資法の細則です。2020年投資法の細則は、現在(2020年11月3日)草案が提出され、2020年内には公布、2021年1月1日より2020年投資法と共に施行される予定です。その中の第23条が今回の内容にあたる部分ですが、上記と異なる部分は見当たりませんでした。